[書評] 決定版 英語シャドーイング 【超入門】
英語シャドーイング 【超入門】
対象者
- 初学者〜
- シャドーイングにはじめて取り組む方
本の特徴
- シャドーイングにはじめて取り組む人にとって最適の1冊
- 簡単な内容から少しずつ英文のレベルが上っていく
- スピードを落として音声が収録されている、アクセントを入れるところが強調されているなどの工夫がある
英語学習にはいろいろなトレーニング方法がありますが、
リスニング力を伸ばすために一番効果的なトレーニングは 「シャドーイング」 だと思います。
「シャドーイング」 は、音声を聞きながらそれを影(シャドウ)のように追いかけて発話していくやり方ですが、リスニング力を伸ばすことに絶大な効果を発揮します。
最近は、英語のトレーニングジムなども流行っていますが、そういったところでもシャドーイングのトレーニングが取り入れられています。
補足
シャドーイングとは
「シャドーイング超入門」には以下のように説明されています。
シャーイング (shadowing)
「音声を聞きながら、聞こえたことをほぼ同時に繰り返して言うリスニングの訓練法です。
テレビやラジオのニュースでも、映画でも講演でも、聞いたことを繰り返すことはどこでも手軽にできますね。
シャドーイングは、目的に応じて下記の2種類あります。
■プロソディ・シャドーイング (prosody shadowing)
ひとつは、聞いたことの正確な復唱(繰り返して言うこと)を目的とするプロソディ・シャドーイングです。単にことばを再現だけでなく、英語のプロソディックな要素 (ストレス、高さ、長さ、速さ、リズム、イントネーション、ポーズなど言葉の音声的な特徴)をも正確に再現しようとすることが大切です。
プロソディ・シャドーイングを行うときには、できるだけ正確に音をつかまえることに力点を置きますので、聞いた後、実は意味はよくわかっていない、ということがあっても気にしなくて結構です。そのかわり、文と文、言葉と言葉の間に、“uhhh‥“のような特に意味のない音が入っても、そのまま正確に繰り返すのです。
■コンテンツ・シャドーイング (Contents shadowing)
もうひとつはコンテンツ・シャドーイングと言って、聞いているスピーチの「意味」 に注意しながら繰り返す練習方法です。コンテンツ・シャドーイングをするときには 注意を意味の把握におきますから、シャドーイングをしながら、頭では意味をしっかり 追ってください。TOEFLやTOEICなどのテストを受けている時には、意味理解が命ですから、コンテンツ・シャドーイングが役に立ちます。
私の経験としては、0.5秒ぐらい後をついていうようなイメージでやるとリズムに乗りやすいと感じます。
説明にあるように、シャドーイングでは、「音」と「意味」にわけて 取り組んでいうことが効果的です。
ただ、最初は、なんとなく「音」を真似ながら進めるときと「意味」を取りながら進めるときがあるというぐらいの認識で十分かと思います。
以下の動画でサッカー選手の本田さんがシャドーイングをしていますので、この動画でイメージを掴んでいただければと思います。
そんなシャドーイングトレーニングですが、取り組んだばかりの頃はなかなかうまくできなかったりもします。
その原因として、難しい教材を選んでしまっているということがあると思います。
最初から生の英語のスピーチや映画などをシャドーイングの教材にすることは難しいです。
おそらく TOEIC900 点を超える人でも、映画などを使ってうまくシャドーイングはできないと思います。
英語が早く話される、カジュアルな表現、スラング、映画を理解できるようになることは英語学習者の最難関パートです。
シャドーイングの教材を選ぶ基準ですが、 英文を読んで8割以上理解できるもの が良いと思います。
シャドーイングは、新しい単語を覚えたり、英文を読めるようになるトレーニングではありません。
音と意味に関して“英語と日本語のギャップを埋める” トレーニングです。
(日本語と英語は“音”に関しても“意味”に関してもその捉え方は大きく異なります。)
ですので、シャドーイングには大体の意味がわかるくらいの教材で取り組むのが良いです。
そういった意味で、本書の難易度は、はじめてシャドーイングに取り組む人に適した内容になっています。
スクリプトは中学校の教科書レベルの基礎的なところからスタートしています。
また、最初のステージ Stage0 はスピードを落とした音声が収録されていたり、スクリプト全体を通してアクセントを入れるところが強調されていたりと、はじめてシャドーイングに取り組む人が挫折しないような作りになっています。
それでも最後は、ネイティブが実際に話しているスクリプトがついていて、段々とステップアップができる内容になっています。
本書を一冊仕上げれば、必ずリスニング力の伸びを実感できると思います。
内容は日常会話の場面が多く、海外旅行や電話の定番表現、そして最後はインタビューや VOA ニュースなどスクリプトなどの音声となっています。
ナレーターが感情を入れて読んでいるものが多く、シャドーイングしやすい内容になっていると感じます。
内容がビジネス関連のものではありませんので、最初からビジネス系の教材でシャドーイングしたい場合は難易度が近い「10 億人に通じる! やさしいビジネス英会話」をオススメします。
使い方
テキストを使ってシャドーイングを行っていきましょう。
本書のトレーニングの手順(p18)を参考にステップを設けても良いですし、自分のやり方で進めても良いと思います。
最初に目指すところは、音声に遅れずにしっかりついていけるところです。
確認にはスマホ等を使って録音をして、音声と自分のシャドーイングを比べてみると良いと思います。
自分のシャドーイングの音声を確認すると最初はあまりの下手さに驚くと思いますが(経験談)、なによりその確認が大事になります。
誰か他の人に確認してもらうことも有効だと思います。
まとめ
- シャドーイングをはじめて取り組む人にとっては最適の1冊
- シャドーイングのテキストは読んで大体の意味がわかるものを選ぼう
- シャドーイングは、リスニング力向上に効果的
WRITER
- はるちか
- 英語講師
TOEIC 975点 英検1級