[書評] 毎日の英文法
毎日の英文法
対象者
初学者~
本の特徴
- フレーズ暗記のテキストで1番のオススメ
- 早稲田大学教授 James M. Vardaman の著作
- ネイティブによるテキストなので英文が実用的で自然なものが多い
- 55項目の基礎的な文法事項ごとに整理されている
早稲田大学教授 James M. Vardaman の著作です。
フレーズ暗記のテキストで1番のオススメ です。
その理由の一つは英文の量です。
英文は55項目の基礎的な文法事項ごとに整理されていますが、コンパクトにまとまっています。
フレーズ暗記は、反復することが大切で、
できるだけ短時間でテキストを1周できるテキストが、挫折が少ないです。
他のオススメできる理由は、英文が実用的で自然なものが多い ということです。
著者がネイティブということもあり、ネイティブが日常で使うような表現が選ばれています。
また、文法事項も実用性を考えて重要な文法事項が優先されているので、
より常用な表現を効率的に覚えていくことができます。
レイアウトは、左側のページに英文、右側に日本文という形で、各ページに簡単な文法の説明があります。こういったちょっとした解説は理解を進めるのに有効だと感じます。
勉強ではなくトレーニング
著者の James M. Vardaman 氏は英語を、スポーツのようなもので、
知識や理論を完璧にしてもダメ、目も耳も使った反復トレーニングが一番の王道だ と述べています。
そして、そのトレーニングを繰り返して身につけるのは「ルールの知識」ではなく、英語の基本センテンス 「英語のパターン」 です。
James M. Vardaman 氏の日本語学習
James M. Vardaman 氏自身、日本語の学習には苦労をしたようです。
アメリカの大学で日本語を1年間学んでから来日したようですが、それでも日本語の会話にはしたようです。そこでやったことが、日常会話のテキストを使って、その例文を暗唱し、1つ1つの文型を身に着けること。
そういった経験も本書に活かされています。
言語習得の過程
James M. Vardaman氏は、言語習得には以下のような過程があると言っています。
読んで意味がわかる。
↓
聞いて意味がわかる
↓
自分で発音ができる
↓
自分で暗唱できる
↓
同じ文型の文を、言葉を入れ換えて使える
↓
自分で発話できる
つまり、読んで、聞いて意味がわかるだけでは言葉は話せるようにならなくて、
そこから段階を踏んでトレーニングをすることが大切ということです。
○ ポイント
話すための英文法
「英語のパターン」を覚える。体で覚える
英語学習は、勉強ではなくトレーニング
反復トレーニングが有効
ネイティブがリアルによく使うフレーズのみで作った
英語学習においては、完璧主義は捨てましょう。
コンパクトながらも、日本人がつまづきやすい重要な文法事項が取り上げられている。
現在形と進行形の違い、未来を表す「will」と「be going to」の使い分け
時間表現としての「by」と「until」の使い分け
使い方
基本的には、フレーズ暗記のテキストとして、日本語を見たときに瞬間的に英語のフレーズが口からでてくるところを目標にしましょう。
本書では、以下のようなステップでも学習が勧められています。
Step1 ポイントのイメージを掴む
Step2
① すべての文を理解して意味を理解する
② 音声を聞きながら、テキストを音読する(5 回以上)
③ 音声を聞き、顔を上げ、テキストをみながら暗証する(5 回以上)
Step3
入れ替えトレーニング
自分で単語を入れ替える
本書では「意味がわからない文を暗証するよりも、意味がわかった文を暗証するほうが数段効果的です」とありますが、これはとても大切なポイントだと思います。
意味が分からない文があったら、まずは本書の文法解説を読んだり、必要であれば他の文法書を参考にして意味を理解しながら学習を進めましょう。
○ まとめ
WRITER
- はるちか
- 英語講師
TOEIC 975点 英検1級