[書評] 一億人の英文法
一億人の英文法
本の特徴
- 「話せる英語」を「最速」で達成するための英文法大全
- ネイティブスピーカーの感覚に基づき、文法をシンプルに捉えられるように解説されている
- 著者自身によるイラストがたくさん
英語学習の基礎となる文法を理解するためにテキストとして、すべての学習者にオススメしたい文法書です。
ただ、本書は網羅的な内容でボリュームがありますので、全くの初心者、中学英文法が理解できていない人は、つまずく可能性があります。
そういった方は、中学英語を学べる
- 中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく
- 中学校 3 年間の英語が 1 冊でしっかりわかる本
の書籍などを中心に文法を学習していきましょう。
本書が他の文法書と違うところは、ネイティブスピーカーが英語 を使う意識・感覚に注目し書かれているということです。
そういったネイティブスピーカーの感覚がわかるよう、著者自身の豊富なイラストとともに解説が進んでいます。
以前、私は、文法に関してなんだか複雑そうな印象を持っていましたが、本書の解説に触れることで、英文法をとてもシンプルに捉えることができるようになりました。
そして、文法をシンプルに捉えることができることで、よりスピーキングなどの実践にも活かしやすくなっています。
英語学習において文法理解はとても大切ですが、あまり時間をかけるべきではないと思います。
文法は「最速」で身につけて、実際に「話したり」「書いたり」のトレーニングに時間を咲いていくことが大切になります。
英語のシステムを「シンプル」に解説した本書で、英語を話すための基礎を「最速」でみにつけていきましょう。
ちなみに、本書にはインデックスがありません。
「調べ物ではなく、通読できるように作った」 というのが大西先生の意図のようです。
ただ、本書はボリュームがあり、なかなか通読して理解していくのが大変、エッセンスを短時間で理解したいという方には、大西先生の解説がコンパクトにまとまっている
- 「ハートで感じる英語塾 英語の 5 原則編」
- 「ネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力」
使い方
まず、 CHAPTER0 の「英文法の歩き方」 を読みましょう。
ここを読むだけで、 英語の感覚 とはどういったものか理解が進むと思います。
そのあとは、可能であれば全体を通読し、その後は学習を進める上でわからないことがでてきたらその都度、本書の関連分野を参照しましょう。
本書で大西先生は音読の重要性を説いています。
重要なのは「音読すること」です。
特にスピーキングでは、ロから出したことのない形はまず使いものになりません。
英語を話す機会にそれほど恵まれていない私達にとって、音読は英語を口から出すための ほぼ唯一の機会なのです。
次に心がけていただきたいのは、「意識を動かせ」ということです。英語業界では周期的に「演説を暗記して英語を話せるようになろう、という趣旨の本が流行します。
ですが、それで英語ができるようになったという人を私は寡聞にして知りません。
文を再現できるだけでは、その文が実際に作れることにはならないのです。
私達はマーチン・ルーサー・キン グの演説をそのままを口から出したいわけではありません。彼と等価な言語能力がほしいのです。
だとすれば、コピーすべきは彼の文ではなく、個々の文を発しているときの彼の「心の動き」なのです。
> 引用:一億人の英文法 >
また、本書の例文でトレーニングを進めたいという方は、別売りで例文を音読した CD を利用することもできます。
まとめ
ネイティブスピーカーが英語を使う意識・感覚に注目し、豊富なイラストと共に文法事項が解説されている文法書。
WRITER
- はるちか
- 英語講師
TOEIC 975点 英検1級